砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
 その、僅かの変化も帝は見逃さない。
 得意げな、勝者の笑いを浮かべる。

「悔しい?
 でも、仮に行かなくても他の誰かが行くんじゃないかな。
 簡単に入れるよ、あの屋敷」

「お話はそれだけですか?」

 震えそうになる声を押し留めて、極めて冷静に言葉を発する。

「まさか。
 その後の、部屋での話がしたくて呼んだんだよ。

 夕べのあの人の話、聞きたいでしょ?」

 帝の瞳は挑発の光を発している。


 普段……特に御所では……、何の感情も映さない龍星の瞳も、今ばかりは強く煌いていた。
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