砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
「雅之に聞いて見るといい」

 毬のころころと変わる表情を見つめているのが楽しくなった龍星は、ついつれない返事をしてしまう。


「もう来るの?」
 と、毬が首を傾げたのと、

「雅之殿が来られました」
 と、華がやってきたのはほぼ同時だった。

 毬は反射的に龍星の背中に隠れてしまう。


「こんばんは」

 果たして、雅之は龍星の予測通り、酒瓶を持っていた。

「やあ、雅之。
 うちの姫は急に人見知りになったようだ」

 龍星がしれっと言う。

「雅之、怒ってる?」

 毬は怯えたウサギのように、ピョコンと目だけ出して問う。

 雅之は人好きのする笑顔を浮かべた。

「いや。そんなに長いこと怒り続けるたちじゃない」


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