砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
「手は、大丈夫です。
 でも、頭がすごく痛んで……」

「それはいけませんね。頭痛に効く薬があるから飲むといい。
 お腹もすいているでしょう?」

 身体を起こした毬は、差し出されるがままに白い粉を水で流し込んだ。

「苦いっ」

 毬は子どもらしく今にも吐き出しそうな顔をする。

「すみません。お口直しにいかがですか?」

 桃色の砂糖菓子を毬に渡す。

「甘くて美味しい」

 毬は口に含んだ瞬間に、ふうわりと、それはそれは可愛らしい笑みを浮かべて龍星を見た。

「そうでしょう?毬姫に気に入ってもらえて良かったです」

「私、そろそろおいとましないと……」

「左大臣様にもご了解いただいているので心配には及びません」

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