ミックス・コーヒー
「尚樹」

 突然、背後から聞こえた声に、尚樹はハッとする。

 ゆっくりと振り返ると、思ったとおりの人がそこにいた。

「美葉」



「ここに、いたんだ。探したよ」
 隣、いい?と、美葉が尚樹の横に腰を掛ける。



「お医者さん、自分達に出来る、最善は尽くしたって。あとは、ミクリの様子を見守るだけらしいよ」

「そうか」

 尚樹は、逸らしていた目を、美葉へと向け、そして微笑んだ。
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