ミックス・コーヒー

青き日の共有者たち

   ①

 貴之達が病室に向かった時には、ミクリは目を覚ましていた。

 丸二日眠り続けていた彼女の目からは意外と生気が感じられ、貴之達を少し安心させた。

 起き上がることは、やはりまだ出来ないようだったが、それでも<確かにミクリは戻ってきた>という感動を、貴之達は押さえ切れずにいた。

 美葉も、笑みを溢したりしていた。

 二言、三言、簡単な会話を交わし、ミクリはふと辺りを見回した。


「あれ。尚くんは……?」


 貴之から、すっと笑顔が消える。


「尚くんは? 来てないの?」

「……ミクリ、よく聞いて。尚樹は……逮捕されるかもしれない」



 貴之の言葉の意味を、ミクリはすぐには理解出来なかったらしく、澄んだ目を丸くさせた。
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