ミックス・コーヒー
「警察を辞めた後、俺はずっと優哉の事件を一人で追っていた。優哉は河内に会いに行った帰りに、死んだ。ずっと前から、俺には犯人はわかっていた」

「……シゲさんとオヤジって、高校の同級生だったんですよね?」

「そうだ。あと誠と……美鈴もな」

 シゲはいつの間にかしまっていたそれを、もう一度取り出した。
 フタが開かれると、再び中で美しく光り輝き、貴之は思わずそれに目を細めた。

「このペンダントは、俺が美鈴にあげた物だ。実は世界に一個しかない、俺の手作りなんだぞ。……これが、河内に奪われてしまったのは……あの日。美鈴がヤツに暴行された日、だ」

 苦しそうに、途切れ途切れ、言葉を増やす。



「美鈴は俺の幼馴染で……俺の、初恋の人だった」
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