ミックス・コーヒー

「闇」

 ……プルルル……。



「……はい。もしもし」

『俺だ。状況はどうなってる』

「今、ちょうどお電話しようと思っていたところです……。<娘さん>を見つけましたよ」

『そうか……。どこにいたんだ』

「なんか、変な、小さな喫茶店です」

『喫茶店?』

「ええ。そこの店で働きながら、住まわせてもらっているようです。私が見たところ、ありゃ店長とデキてますね。フフッ。どうしますか?<お父様>」

『知らん。興味もない。……お前には、もう一つ任務がある。それを忘れたわけじゃあるまいな』

「もちろんです。<宝探し>ですよね?」

『まあ、そう誇張してくれるな。<アレ>は、俺の人生最大の汚点。失敗、だ……』

「所詮、若気の至りですよ」

『……とにかく、出来るだけ早く見つけてくれ。このままではおちおち仕事も出来ん。精が出ん』

「ええ、かしこまりました。早急に。何かありましたらすぐまたご連絡差し上げます」
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