君が見たいから ~ Extra ~
もう、冗談はやめて……、と起き上がろうとしたが、肩を押さえられて動けなくなった。髪をまとめていたバレッタがはずされ、長い黒髪がシーツに扇情的に広がる。
間近に迫った彼の表情は怒っているようでも、少し悲しそうでもある。
「ソンウォ……」
ごくりと唾を飲み込んで、口を開こうとしたときには遅かった。
彼の唇はまるで罰するように、唯の唇を言葉もろとも乱暴に飲み干し始めた。
思わず目を閉じ、その荒っぽく甘美な懲罰に身を委ねてしまう。
顔を上げたソンウォンは、片手で唯の着ていた厚地のシャツブラウスのボタンを弾き飛ばすようにはずすと、シャツを彼女の両腕もろともぐっと引き上げた。
え? と思ったときには、手首をシャツでゆるく縛られた格好になっていた。
腕を引こうとしても袖がベッドのヘッドボードに引っかかっているらしく動かせない。
「な、何をするの……?」
慌てて手を引こうとしながら驚きの声を上げたが、ただ皮肉に微笑み返されただけだった。
彼は楽しむように、手のひらで唯の柔らかな二の腕からわきの下に続く滑らかなラインをじっくりと辿っている。
ぞくっとする快感に心ならずも震えては、余計に焦る唯を可笑しそうに見下ろしながら、彼はさらに薄いブラのフロントホックを引きちぎるようにして、胸をはだけてしまった。
窓から、午後の日差しがさんさんと差し込んでいる。これでは全てが目に露になってしまう。
もちろん以前にも明るい中で何度も愛し合ったけれど、こんなのは嫌だと思った。
だが、手を振り解こうともがいても、じっとしてろ、と押さえる夫の手に力が篭るだけのことだ。
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注)作者より…
ここから量は少しですが、本編より若干きわどい目の描写にあたるかもしれません。
苦手な方はご注意ください。申し訳ありません~。