モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
姫乃の部屋に入ると、
部屋の中央に大きな
家具の山ができていた。

その周りに立っている
天明と黎明は、東雲が
無事であることは
わかっているのか、
特に手を貸す様子もなく
状況を見守っている。

家具の山の下には、まるで
生首が転がっているかのように
東雲の顔だけが見えている。

姫乃があわてる気持ちも、
まぁ、わからなくはない。

首から下が見事に埋まって
しまった東雲は、無表情に
こちらを見ていたが、
凍夜に気がつくと少し
申し訳なさそうな声で言った。
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