モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~

趣味の時間―姫乃

今から凍夜の分の膝かけを
作る、ということで、
なんとか自分用の膝かけを
取り戻した姫乃は、凍夜の
部屋で黙々と編み物をしながら、
ちらりと凍夜を盗み見た。

部屋に一つしかない
ロッキングチェアは、今姫乃が
譲ってもらっているので、
凍夜はいつものお茶用の
机について読書をしている。

こうしていると、ちゃんと大人の
男の人なのに、どうして変なところで
あんなに我儘でこどもっぽいのかしら。

ここに連れてこられて、
だいたい半月がたったが、
最近は凍夜の変なところ
ばかり目につく。

ひとことで言うなら、
気まぐれで我儘で、
変に頑固でこどもっぽくて、
そのうえ基本はおおざっぱなのに
ところどころ妙にこだわる。

…あぁ、全然ひとことじゃ
おさまらない。

この人の我儘にずっと
振り回されているノークスを
見て、姫乃は初めて彼を
気の毒に思ったほどだ。

それでも、姫乃はそんな
凍夜と過ごす時間は
けっこう好きだと思う。

姫乃自身も我が強いため、
些細な口ゲンカは
頻繁にするが、それも
含めて一緒にいるのは
けっこう楽しい。
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