モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
…二人揃っていない、
というのは、この半月で
はじめてのことだった。

これは、もしかすると
もしかするのでは
ないだろうか。

そう考えて、
気づかれないよう
探りを入れてみる。

「ねぇ、すぐに戻ってくるわよね?」

「お答えできません。」

「いつ戻るのかわからないと
困るわ。それによって、
昼食に使う分のズグットを
下準備して寝かして
おかないといけないのよ。
美味しいのを食べてほしくて
今日も朝からがんばったんだから
絶対無駄にしたくないの。」

姫乃が困ったように言えば、
東雲はしばらく考え込んでから、
しぶしぶ答えた。

「おそらく、夕刻まで
かかるかと思います。
少なくとも昼食時には
間に合いません。」

それはつまり、すぐに
戻れる範囲の場所には
いない、ということだ。

もしかしたら、森の外…
街や村に行ってるのでは
ないだろうか。

昼食まで、2時間ぐらい。

これは、やはり絶好の
チャンスだ。
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