モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…っ!…サラ、
サラっっ!!」
「お姉さま…!」

姫乃が少女を
力いっぱい抱きしめる。

姫乃の力はたかが
知れているが、
それでも、サラと
呼ばれた少女が
折れてしまいそうな
ほど力がこもっている。

「サラ…こんなに
やつれて…。
ごめんね…
心配かけて…。」

少女を抱きすくめる
姫乃は、心配そうに
少女の顔を覗き込む。

「…お姉さま…。
無事で、よかった…。
お母様のときのように
わたし、置いて
いかれたらって…。」

少女の方も、目に
いっぱいの涙を浮かべて
姫乃を離すまいと
必死で抱きしめ返した。

「…いもう、と…?」

「そうらしいね…。
調べてなかったの。」

小声で会話を交わす
ノークスの様子を
見る限り、彼は
あの少女の存在を
知らなかったに違いない。
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