モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…。」

「あ。」

唐突に、呟いたのは
沙羅だった。

たった今、姉に口を
酸っぱくして言い
聞かせられていたことを
思い出したからだ。

どうしたのかと、沙羅を
見る男を見つめかえしながら、
沙羅は思ったままに呟く。

「変な人、家に入れちゃった…。」

そんな沙羅の呟きを聞いた男は、
聞いた直後こそ驚いた顔を
したものの、すぐにこらえ
きれないと言った様子で
吹き出した。
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