モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
先日、沙羅を助けてくれた
この男は、朔夜、という名の
姉の知り合いで、姉が身を
寄せているモントリヒト城に
住む吸血鬼だといった。

彼は、助けてくれた翌日から
毎日こうして送り迎えを
してくれている。

ちなみにあの猫は、
朔夜の飼い猫らしい。

「お姉さまはお元気ですか?
朔夜様。」

毎日、一番最初にする質問。

「ええ。いつも通りです。
元気すぎて困るくらいですが。」

朔夜の顔が、幾分か
渋いものに変わる。

「よかった。」

いつもどおりの反応に
沙羅がにっこりと笑うと、
朔夜の表情も柔らかい笑みに
変わる。

最初の頃はわからなかったが、
最近では、朔夜が文句を
言いながらも姉のすることを
楽しんでいると思うようになった。

苦々しい顔の割に、語る口調は
どこか楽しげだから。

たわいない話をしているうちに、
教会の裏につく。

朔夜を置いて、沙羅は教会に
入って行った。
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