モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
沙羅のお祈りが終わると、
森に戻り、彼女の家で
一緒に昼食を用意するのが
日課だ。

彼女はうんと幼い頃に、
大きな火事を目の当たりに
して以来、どうしても火が
ダメなのだと教えてくれた。

火を扱えない沙羅の為に、
ノークスが腕をふるえば、
見た目と違って胃袋の
大きい沙羅はとても
おいしそうにノークスの
手料理を残さずたいらげる。

そして、食事が終わると
ノークスが沸かしておいたお湯で、
彼女が育てた茶葉のハーブティーを
淹れてもらうのだ。

その光景を思い浮かべて、
ノークスの目元はますます和む。

来た時と同じように手をつないで、
二人は森に帰って行った。
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