モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…なんでそんなの
覚えてるの!」

胸があたっている
ことなどかまわないのか、
気付いていないのか。

凍夜に抱きついたままで、
真っ赤な姫乃が叫ぶ。

そこそこ大きさのある
胸の感触は非常に
気持ちいいが、
圧迫されている状態は
どうにも息苦しい。

少しもったいない
気もしながら、上を
むいてどうにか空気を
確保すると、涙目で
凍夜を見下ろす姫乃と
視線がぶつかった。

抱きついている意味が
ないと気づいたためか、
それとも若い娘が男に
胸を押し当てている
恥ずかしい事実に
気付いたためか、
あるいはその両方か。

姫乃は慌てて身体を
放そうとしたが、
凍夜が姫乃を引き
倒す方が早かった。

不自然な形で、
姫乃は凍夜の上に
倒れ込む。
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