モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
彼女が自分に対して
好意を持っていることを
凍夜は知っている。

ただ、その好意の
種類が、よくわからない。


親類、友人、男女。


どれが、当てはまるの
だろう。

からかわれることに
多少警戒しているときは
あっても、姫乃は凍夜に
対して、基本、無防備だ。

その無防備さは、凍夜を
男として意識していない
からなのだろうか。

先ほど、凍夜の頬に
口付けたのはあくまで
親愛のしるしなのか、
それとも。

そう意識すると、急に、
もっと彼女に触れたくなった。
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