モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~

浴室の珍事―姫乃

凍夜の部屋と続き部屋に
なっている浴室に
放り込まれた姫乃は、
深く深く息をはいた。

暖かいお湯に身体を
沈め、深呼吸を繰り返し、
ちょっとの気の緩みで
とりみだしそうになる
自分を落ち着かせる。

ため息まじりに顔の
半分を湯の中に沈めると、
柔らかい水面が姫乃の
唇を濡らした。

その感触に、姫乃の頭は
つい先ほどの出来事を
思い出し、せっかく
落ち着きかけた心臓が
また爆発しそうなほど
跳ねまわった。




何度も。



何度も。




凍夜は姫乃の唇に
自分の唇を重ねた。
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