モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
その感覚に当惑する
姫乃の口腔に凍夜が
侵入したところで、
姫乃は初めて自身の
知らないコトに恐怖を
覚えて抵抗し、はずみで
机の上のコーヒーを
こぼしてしまった。

コーヒーはだいぶ
冷めていたし、姫乃の
衣服も少し汚れただけ
だったが、火傷を
気にした凍夜は
有無を言わさず
姫乃を浴室に
押し込んだ。

そうして、火傷の
心配がないことを
確認すると、突然、
服の上からぬるま湯を
かけられた。

そのまま風呂に
入るよう促されれば、
全身を濡らした姫乃は
彼の仕向けたとおりに
動かざるを得ない。

そして、姫乃はこうして
湯につかって身体を
暖めるに至る、と
いうわけだった。
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