モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
自分の身の振り方を決めたノークスは、
もうひとつの懸念に頭を悩ませた。

そう、問題は凍夜だ。

吸血鬼にとって好ましい女は、
貞淑で慎ましい女。

じっさい、ノークスもそういう女が好みだし、
以前徒党を組んだ吸血鬼もみなそうだった。

なのに。

昔から凍夜が好むのは吸血鬼にとって、
いわゆる都合の悪い女ばかり。

もっとも、彼自身もある意味クセが
強いのだから仕方がないのかもしれないが。

しかも、食事に関してはかなりの偏食家だ。

気にいらない女の血はどれほど空腹でも
決して飲まない。
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