モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…。頭の中のもやもや、
落ち着いた?」

気がつけば、ほとんど
飲み干した後で、
ノークスは満足の
ため息をついていた。

「…初めて飲みましたが、
不思議なお茶ですね。」

「慣れてないと、
残しちゃう人が多い
お茶なの。でも、
すごく、頭が
すっきりするの。」

「…ええ。とても、
いい気分です。」

「よかった。」

そういって、
沙羅は笑った。

「わたしじゃ、
朔夜様の悩み事を
助けられないから。」

「…。」

幼い少女の勘の良さと
気づかいに、ノークスは
苦笑した。
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