モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
姫乃が好意と感じた
凍夜の言動は、結局、
お気に入りの餌に
対する愛着。

そうだ。

彼らにとっては、
命のかかったことなのだ。

だから、今までだって、
たくさんの餌に
優しくしたに違いない。


全部、同じように
与えられた人がいて、
それを今度は、姫乃が
与えられている。

それを、改めて認識した、
それだけなのに。

じわりと、のどを
かけ上がってくる
息苦しさに、涙が、
こぼれた。

凍夜は今もまだ
リターチを想って
いるのだろうか。
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