モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
指から手のひら、
手のひらから腕、
腕から二の腕、と
程良い力加減で
押していく。

女の血を求める際に、
愛撫をするのは
悦楽の味が最も血を
甘美なものに
してくれるからだが、
実はこの方法も、
女の血を旨くする
手段の一つだ。

くつろいだ状態の血は、
柔らかく、ほのかに甘い。

どうしても悦楽の味には
及ばないので、そうそう
使われないが、今のように
極度の緊張状態の姫乃には
無理に悦楽を押し付けるより
こちらのほうがいいだろう。

これで、少なくとも
ノークスは満足のいく
食事ができる。

姫乃の心身がある程度
ほぐれたところで、
ノークスは彼女の腕に
牙を立てた。
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