モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「お姉さまと…?」

「ええ。安全のため、
ここではなく、
モントリヒト城で、
ですが。」

「ほんとうに…?」

「ええ。本当です。」

「…っ!」

喜びをこらえきれず、
ノークスに抱きつく
沙羅を受け止めて、
ノークスは微笑んだ。

ぎゅうっときつく
ノークスの衣服を
握り締め、何を言うのも
忘れてボロボロと
涙をこぼす。

そっと肩を抱き、
頭を撫でれば、
沙羅は泣きながら
ノークスの顔を
見上げた。

「…じゃあ…それじゃあ、
わたしと、お姉さまと
朔夜様と凍夜お義兄さまの
4人で、ずっと一緒に
暮らせるの…?」

「…。…ええ
もちろんです。」

ノークスの言葉を
心から喜び疑わない
無垢な少女に嘘を
つくのが、忍びない。

ノークスの返事に喜ぶ
沙羅の頭を抱きしめ、
あやすように再び
頭を撫でた。
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