モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…花嫁を迎えた
吸血鬼は、双子の
枷から外れ、今度は
花嫁に縛られる。」

「どういうこと?」

意味のわからない
言葉に、姫乃が
問い返せば、
ノークスは
冷ややかな目で
姫乃を見据えた。

「花嫁が、吸血鬼の
生死を握ると
いうことです。」

「…?どういう…。」

「冗談ではない。
凍夜が、お前の
ような小娘に命を
握られるなど…!」

憤りをにじませた
ノークスの手が、
荒々しく姫乃の胸の
ふくらみをつかんだ。

鈍い痛みに、姫乃は
逃れようと抵抗するが、
姫乃を押さえつける
ノークスの身体は
びくともしない。

「凍夜があなたに
執着する以上、
あなたを生かして
おくわけには
いきません。
今、ここで
死んでもらう。」

「!!」

ノークスの
唇が姫乃の
首筋をなぞる。

姫乃の背に
ぞわりと悪寒が
走った。
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