モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…。」

無言のまま、
東雲がドアに
歩み寄り、
そっとドアを開ける。

「と、凍夜様…。」

ドアの外の
見知った姿に、
凍夜も東雲も
ついつい
凝視してしまった。

「マ、マスターを、
止め、て、くださぃ…。」

「天明。」

そこにいたのは、
人の姿に変じた
ノークスの従僕だった。

見知った相手に
もかかわらず
凍夜たちが
凝視してしまったのは、
あり得ないものが、
その顔を濡らしていたから。
< 504 / 726 >

この作品をシェア

pagetop