モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…お嬢様。」

「なぁに?」

「どうか、ずっと、
お二人のおそばに
いてください。」

「ええ?」

「マスターと凍夜様が
ケンカして、凍夜様が
折れたのは初めてです。」

「お嬢様のおかげで、
マスターはノークス様を
殺さずに済みました。」

…そもそも、今回の
ケンカの原因は姫乃の
存在が引き金になったと
思うのだが。

「…それは…わたしが
どうこうって言うよりも、
二人…凍夜次第じゃ
ないかしら…。」

恩情ある方から
この城の権利書を
預かっている身の姫乃は、
この土地から離れる
わけにはいかない。

だから、もし凍夜が
姫乃のそばを離れると
言うなら姫乃には
どうすることもできない。
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