モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「キミはノークス…
朔夜とケンカでも
したの。」

「…どうして?」

「目が赤い。」

凍夜の指摘に、
沙羅は恥ずかしそうに
慌てて目を隠した。

顔の造形は
似ていなくとも、
やはり姉妹だから
だろうか。

その仕草が、
どことなく姫乃を
思いださせて
凍夜は少し
目元を緩めた。

「…いいことを
教えてあげるよ。」

「なぁに?」

「朔夜のことで、
悩む必要はない。」

「…どうして?」

「アレが全部悪いに
決まってる。」

身も蓋もない断定に、
沙羅はちょっと
驚いて、そして、
俯いた。
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