モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「!?何を…。」

「姫乃はここから
出て行った。」

たたきつけた
床が割れ、
その隙間に
空洞が見えた。

「…隠し通路…!」

「たぶん、一番
早い道なんだろうね。」

そう言うなり、
凍夜は隠し通路に
滑り込んだ。

慌てて後に続けば、
姫乃の流した血が
点々と道しるべを
つくっている。

「姫乃…沙羅…。」

二人の無事を願いながら、
すでに姿の見えなくなった
凍夜を追って、
ノークスも駆けだした。

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