モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
思わず言葉を切り、
何事かとあたりを
探ればひとつ、
またひとつと、
使用人たちの頭数が
消えていくのを見つける。

使用人が何か叫び
かけたところで、また。

「な、何事だ…!」

得体の知れない
恐怖に慄き、
地主が問いかけたが、
誰も、何の返事も返さない。

代わりに、地主の
すぐそばに、数人の
事切れた使用人たちが
はね飛ばされ、山を作る。

「…。」

使用人たちの
飛んできた先に
視線を向けて、
ようやく地主は
相手の姿を
視界に入れた。
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