モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
沙羅の方は幸い、
広範囲ではあったが、
軽いやけどで済んだ。

しかし、姫乃の身体は、
酷い状態だった。

自分で切断した腕と、
重度のやけどを負って
焼けただれた半身。

これはもはや、普通の
人間の治癒力で
どうこうなるものではない。

それ以前に、今はどうにか
命をつないでいるものの、
もはや…。

立ち止まって、今出てきた
ばかりの部屋の扉を見つめる。



…自分の、責任だ…。



自責の念で顔がゆがむ。


姫乃の性格はわかって
いたはずなのに、
目をはなしてしまった。

沙羅が狙われると
わかっていたのに、
吸血鬼と喰血鬼にばかり
注意を払って、
人間に対して油断していた。




その、結果が。



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