モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「あまり、変に期待を
させたくはないのですが…。
教えておいた方が、
いいでしょう。」

「…どういうこと、
なの?」

「…我々が吸血鬼だと
いうことは、知って
いますね。」

朔夜の問いに、
沙羅はうなづいた。

「滅多にないことですが、
我々吸血鬼の中には、
花嫁、と呼ばれる
眷族を持ち、命を
預ける場合があるのです。」

「…花嫁…。」

花嫁は、吸血鬼に血を
差し出す義務を負う
代わりに、いくつかの
恩恵を受ける。

その中のひとつが、
脅威的な回復力なのだと、
朔夜は告げた。
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