モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
ノークスはわざと、ドアと反対の方向へ足を踏み出す。
案の定、少女はドアの方へ向かって走り出した。

あまりにわかりやすい行動についつい苦笑しながらも、
ノークスは素早く動く。

長身のノークスの方が当然リーチは長く、
ましてや少女はシーツを引きずっている。

少女がドアに到達するのに合わせて、ノークスの手は
それぞれドアと少女の肩を掴んでいた。

「!」

後ろ姿の少女をそのまま引き寄せる。

「…逃げることはないでしょう?昨晩はお互い
楽しんだ間柄じゃありませんか。」

少女の耳元で、わざと煽るように囁く。
ドアを抑えていた手で少女の柔らかな胸を包み込めば、
少女はびくりと身をすくませた。

「貴女はとても素晴らしい餌ですよ。
これほどの味の女性は久しぶりだ。」

そう、あの味にうるさい凍夜が珍しく加減を
忘れそうになるほどに美味だった。

震えだす少女の反応に満足したノークスは、
ちらりと室内のベットをみる。

これから夜までたっぷりと可愛がったなら、
昨日以上の味になるかもしれない。

そんなことを考えていたせいで、つい少女の行動に
おくれをとった。
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