モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…!?…!!!?」

早朝、目が覚めた姫乃は、
自分を抱え込んで眠る凍夜と、
あられもない自分の格好に、
顔を真っ赤にして、だ
いぶ長い時間固まっていたらしい。

凍夜が目を覚まして、
声をかけたが、反応はない。

とりあえず、服を着替えて、
従僕に朝食を用意するよう命じた。

その間に、姫乃の部屋に
彼女の服をとりに行く。

姫乃は今までほとんど
自分の部屋にいなかった為、
彼女の部屋のクローゼットの中は
袖を通していない新品のドレスや
服がところ狭しと並んでいた。

ちなみにこれはノークスの
趣味だったりする。

彼は、たとえ逆恨みの
相手であっても、相手が女なら
着飾らせずにはいられない
性分らしい。

姫乃がここに来てから、
彼女に似合いそうな服や装飾品を
せっせと集めていたようだ。

クローゼットの中から姫乃が
好みそうな動きやすい服を選んで
部屋に戻ると、従僕が朝食を
用意し終えたところだったから、
もう一度姫乃に声をかけてみたが
反応はない。
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