モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
姫乃は、凍夜の部屋から、
目的の部屋に行くために
通らなければならない通路を見て、
懐かしい気持ちで胸が
いっぱいになる。

昨日までは麻酔が効いて
いたためか、気づくことが
できなかった。

幼い頃、姫乃はこの城に招かれた
友人と共に、公爵夫妻に隠れて、
毎日のように城内でかくれんぼや
追いかけっこをして遊んだのだ。

そして、この城にとても詳しい
友人は姫乃にこっそり、
この城の秘密を教えてくれた。

「モントリヒト城はね、
7つの不思議を持つ魔法の
お城なんだよ。」

幸せを映す鏡、時を伝える部屋。

姫乃が教えてもらったのは、この2つと。

「本当に、昔のまま、なのね。」

幼い記憶をたどって、そうつぶやく。
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