光のもとでⅠ
 私が引き出しベッドをセットし出すと、諦めたのか唯兄も手伝ってくれる。
「なぁ、リィ……」
「ん?」
「こういうの、俺とあんちゃんだけにしろよっ!?」
「うん……?」
「…………本当にわかってるのかなあああっ!?」
「……うん?」
「秋斗さんや司くん、海斗っちとかとしたらダメだからねっ!?」
「……どうして?」
「……危ないからっ! 男はみんな狼さんだと思いなさいっ。あなたは子羊っ、食べられちゃいますよっ!?」
「うん……。私は人間だけど眠い……」
「はぁ……リィ、寝る前の薬は?」
「あ、お部屋……」
「俺、取ってくるからちょっと待ってな」
 ……それはこの手を放すということ?
「それは嫌……」
 蒼兄の部屋に来るときに持ってきた携帯を手に取り、蒼兄にかけた。
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