光のもとでⅠ
 作り方と完成図が描かれて紙を前にひとつため息をつく。
『イメージされる色はございますか?』
 篠塚さんに訊かれ、柔らかい光と新緑の緑、と答えたのはほかでもない俺だ。
 あれはこのためだったのか……。
 まさか、この年になってビーズアクセサリーと呼ばれる類のものを作ることになるとは思いもしなかった。
 完成図を頭に描きながら作業を進めれば、三十分とかからずに出来上がった。
 栞パーツに取り付ければ完成。
 ラッピングのことまでは考えていなかったため、これといった包装はない。
 特別なプレゼントじゃない。もらったから返すというイベント。ならばラッピングなどなくてもかまわない。
 集中して細かな作業をしたからか、目の奥がひどく痛んだ。
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