光のもとでⅠ
 すごく表情が豊かなのに、時として作られた笑顔以外を見せない。
 けれど、翠葉の中で何かが変わり始めている。
 そう感じているのは私だけではないはず。
 きっと、このメンバーなら気づいている。
「また欠席が続いたら、そのときこそ遠慮せずにメールしてこいよ」
 佐野に言われて翠葉は頷いた。そして、一度口を開けたけど、何を言うでもなく口を閉ざした。
 今、何を言おうとしたのだろう……。
 そんなことを気にしていると、
「あ、ちょっと待って?」
 と、慌しくサイドテーブルに置いてあった携帯に手を伸ばした。
 携帯を耳に当てると、
「蒼兄? みんなが帰るって言うんだけど……」
 それだけを言うと携帯を切る。
 ……もしかして、今日蒼樹さんここにいらしたの?
 いつもなら来た時点で挨拶に出てくるため、いないものだと思っていた。
 若干鼓動が速まった胸を押さえていると、ドアをノックする音がして、すぐにドアが開かれた。
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