光のもとでⅠ
 リィ、その怖いはどこからくる怖いかな?
 その怖いはほかの誰であっても変わらない?
 いつかゆっくりと考えてみるといいよ。
 俺の意識は気がつけばオルゴールへと飛んでいて、中に入っているかもしれない手紙で頭がいっぱいになった。
 そんなとき、リィがするりと俺の隣に座って左手を握る。
「唯兄……大丈夫だよ。お姉さんはユイちゃんが大好きだったもの。すごく大切な人って言ってたもの。たとえ手紙が入っていたとしても、唯兄が傷つくような言葉は並んでいないと思う。それにね、時間はたくさんあるよ。明日も明後日も明々後日も。一週間後も一ヵ月後も一年後も。……なんで私に託されたのかはわからない。でも、唯兄が言ったとおり、壊したくなかったんだと思う。とても大切なオルゴールだったのだと思う。だってね、傷は二ヵ所にしかついていなかったの」
 俺は、リィの"大丈夫だよ"という言葉に掬い上げられた。
 リィの言葉すべてを信じたいと思い、最後の一言にはちょっと笑った。
 リィは変だ。
 普通、傷の数までは数えないと思う。
 しかも、この様子だと傷の場所までしっかりと覚えていそうだ。
 なんていうか……こういうところがリィなんだろうな。
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