光のもとでⅠ
 無駄がない資料とはこのことを言うのだろう。
 俺の資料の集め方とは根本的に質が違う。
 しかもこの状態のファイルで「少々杜撰だけど」とか言ってましたよね……。
 これが杜撰だったら俺の作る資料はいったいなんなんだって話だ。
「あんちゃん、やっぱりうちの会社に入ろうよ」
 大真面目に言うと、
「秋斗先輩の入院が翠葉にばれると強制的にそうなるらしいよ。洒落にならん……」
「おや、そうでしたか。では、翠葉お嬢様にばらしましょうかねぇ……」
 にこやかに会話に入ってきたのは蔵元さんで、
「マジで洒落になりませんからっ!」
 と、あんちゃんは力説していた。
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