光のもとでⅠ
「先生、このタオルをチェックしてください」
「……なんでタオル?」
「今回あまり勉強できなくて、すごく緊張してて手に汗をかきそうなの」
 と、事前に用意しておいた言い訳を口にする。
「そう……」
 先生はタオルを手に取り、裏表を適当にチェックした。
「っていうか、あんたがカンニングなんてするわけじゃないいじゃない」
 と、茶封筒から問題用紙と答案用紙と取り出した。
 デスクの上に乗っている時計を私の目の前に置いてくれる。
「チャイムが鳴ったら始めなさい。終わったら次の科目を出すから声をかけて。基本は一科目五十分が制限時間。こっちではそれを計るだけ。いいわね」
「はい」
 シャーペンをタオルで包むようにして手に持った。
 チャイムが鳴って問題用紙を表に返すと問題を解き始めた。
 できるだけのことをやる。今は、それだけ――。
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