光のもとでⅠ
 二限の終わりを告げるチャイムが鳴ると同時に、「湊よ」という声がカーテンの向こうでした。
「そう、間違いなく翠葉の携帯」
 私の携帯にかかってきた電話……?
「今、点滴中。そうね、あと二時間くらいかしら。その頃に迎えに来て」
 会話の内容からすると唯兄からだったのかもしれない。
 カーテンの向こうから、
「点滴が終わる頃に若槻が来るわ」
 と、声をかけられた。
「はい、ありがとうございます」
「それから、恒例の食事会だけど、ゲストルームのリビング使っていい?」
 あ、テスト期間中のお食事会……。
「はい、大丈夫です」
 でも、誰が料理をするのだろうか……。
「じゃ、静さんに連絡入れなくちゃ……」
 静さん……?
「あ、静さん? 場所はゲストルームに決まったから。そう、須藤さんに連絡よろしく」
 ……須藤さんって、ウィステリアホテルの須藤さん……?
 そんなことを考えているときだった。
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