光のもとでⅠ
 海新って、藤宮に次ぐ進学校よね……?
 私立の男子校で、鎌田くんが通っている高校だ。
 学費免除ということは、奨学生ということ?
 特待扱いだよね……?
 ……すごい。
「本当はさ、高校出てすぐに仕事したかったんだけど、意外と働き口が少なかったのと収入も見合わないから、高校のときにバイトして貯めたお金で専学行ったんだ」
 専門学校の学費を自分で貯めていたの……?
 次元が違う――。
 高校生でも自立している人はいるんだ。
 私とは何もかも次元が違う……。
 人はそれを育った環境と言うのかもしれないけれど、そんな域の話ではないと思った。
 そう言って納得するのには、あまりにも環境に甘えすぎているのではないか、そう考えずにはいられなかった。
「翠葉お嬢様、溶けてしまいますよ」
 須藤さんに言われて目の前にあるフルーツサンドが溶けだしていることに気づく。
「ご、ごめんなさいっ」
 須藤さんはクスクスと笑い、スープカップをテーブルに置いた。
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