光のもとでⅠ
 ただ、怖いから、なのかもしれない。
 秋斗さんを怖いと思っているから……。
 だから傷のせいにして、傷つけちゃうかもしれない、と帰ってこられると困ると理由をこじつけていたのかもしれない。
 本当は――ただ、自分が秋斗さんに会うことが怖くて、同じ空間にいるのが怖くて、どう接したらいいのかわからなくて何も話せなくなってしまうのが怖くて、帰ってきてほしくないと思っていたのかもしれない。
 いなければ気になるのに、いたら困るなんて……。
 まるで正反対の思いに戸惑う。
 でも、やっぱり秋斗さんのことを考えるとほかが疎かになってしまう気がする。
 秋斗さんのことだけでいっぱいいっぱいになってしまう。
 私がなんのためにここにいるのかといえば、恋愛をするためではなく、学校に通うためだ。
 極力身体に負担をかけないため。
 でも、そこに秋斗さんが加わるだけで気持ちのバランスが取れなくて体調にも影響してしまうみたい。
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