光のもとでⅠ

12

「リィ、二時だよ」
 唯兄がベッドの脇で教科書を持っていた。
「……日本史嫌い」
「あはは、暗記科目が苦手ってあんちゃんが言ってたけどホントなんだ?」
 楽しそうに笑う唯兄を横目にゆっくりと起き上がった。
 ローテーブルにはオスロカプチーノのカップが置かれている。
 なんのお茶かはわからないけど、きっとハーブティー。
「唯兄もハーブティーが好きなの?」
「俺がこよなく愛するのはインスタントコーヒー。普段ホテルで高級なコーヒーばかり飲んでいるとインスタントコーヒーが恋しくなるのよ」
 なんて、笑いながら応える。
「コレを淹れたのはあんちゃんだよ。ミントティーだって。淹れてからだいぶ時間が経ってる。常温になってるかがぐびぐびいけるよ」
 差し出されたカップを両手で受け取り口をつけた。
 口の中にミントの香りが広がって、鼻の奥から目にかけて抜ける感じ。
「目、覚めた……」
 クスリ、と笑うと唯兄がにこりと笑った。
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