光のもとでⅠ
「うん……? ごめんなさい。食器を下げようと思ったのだけど……横にならせてもらってもいい?」
テーブルを見ていた顔を上げ、唯兄に確認を取ると、「気にしなくていいよ」と言われた。
「静さん、ご馳走様でした。とても美味しかったです」
それだけ伝えると、ゆっくりと自室に向かった。
もう、一歩一歩の歩幅も靴一足分程度になっている。
すり足で歩くようにして数歩歩くと、身体がふわっと浮いた。
「部屋まで送ろう」
静さんの声が耳もとで聞こえる。
「やですっっっ」
大声を出すことでまた身体に痛みが走る。
静さんは下ろしてはくれなかったけど、理由は訊いてくれた。
「つらいのだろう?」
「……でも、まだ――まだ自分で歩けます」
自分で歩けるうちは人を頼りたくなかった。
できることは自分の力でやりたい。
痛くてもなんでも、数少ないできることを手放すことが怖かった。
テーブルを見ていた顔を上げ、唯兄に確認を取ると、「気にしなくていいよ」と言われた。
「静さん、ご馳走様でした。とても美味しかったです」
それだけ伝えると、ゆっくりと自室に向かった。
もう、一歩一歩の歩幅も靴一足分程度になっている。
すり足で歩くようにして数歩歩くと、身体がふわっと浮いた。
「部屋まで送ろう」
静さんの声が耳もとで聞こえる。
「やですっっっ」
大声を出すことでまた身体に痛みが走る。
静さんは下ろしてはくれなかったけど、理由は訊いてくれた。
「つらいのだろう?」
「……でも、まだ――まだ自分で歩けます」
自分で歩けるうちは人を頼りたくなかった。
できることは自分の力でやりたい。
痛くてもなんでも、数少ないできることを手放すことが怖かった。