光のもとでⅠ

18

 わずかに感じる痛みと同時に目を覚ますと、ドアは開いているものの、人の気配がしなかった。
 ただ、リビングからオルゴールの曲が聞こえてくる。
 私が好きなCD。
 きっとお母さんがかけてくれたのだろう。
 ゆっくりと身体を起こし、部屋を横切るように少しずつ歩く。
 ドアまで来てリビングダイニングを見渡したけれど、誰もいなかった。
 二階からかすかにタイピングの音が聞こえてくる。
 その音に胸を撫で下ろす自分がいた。
 きっと唯兄は二階で仕事をしているのだ。
 それがわかっただけでもほっとする。
 もう一度リビングに視線を戻すと、お母さんのバッグがソファに置いてあった。
 ということは、お母さんも家にはいるのだろう。だとしたら、仕事部屋の三階かな。
 そこまで考えてベッドに戻ることにした。
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