光のもとでⅠ
「子どもの心配をしない親はいないでしょう? 時に、例外って輩もいるけれど。少しくらいは側にいてもらったら?」
「でも――仕事に影響が出たり迷惑をかけるのはどうしても避けたいです」
 先生は少し考えてから、「それもそうね」と口にした。
「一応、策は考えて見る。でも、最終的に判断をするのは碧さんよ。本当なら差し出がましい真似はしたくないわね」
 そう言って湊先生は部屋を出ていった。
 一筋縄じゃいかないかな……。
 例年ならまだしも、今年は困る――。
 側にいられたら私が困るの。
 私、今年はこの痛みにどこまで耐えられるのかわからない。
 お父さんとお母さんにはひどいことは言いたくない。
 傷つけるようなことは言いたくない。
 だから、私の側にはいないでほしい――。
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