光のもとでⅠ
「……納得してるわけじゃないよ。ただ。飲まないよりは飲んだほうがいい」
 不服そうな顔でそう言われた。
 今日は二十五日、日曜日――。
 栞さんは来ていない。
 旦那様が帰国するとのことで、空港まで迎えに行っているのだ。
 そして、それに湊先生もついていくという話は聞いていた。
 不安要素のひとつ。
 栞さんの旦那様が帰ってきたらもう一度検査をする、と湊先生が言っていた。
 こんなに痛いのに、血液検査をしても炎症反応が出ないのも相変わらずだ。
 それ以上になんの検査をするというのだろう。
 不意に眉間にしわが寄ったことに気づき、右手で触れてさする。
「蒼兄も唯兄も……どちらが部屋にいてもいいけれど、何かを食べろというのなら、もう入ってこないでほしいの。匂いのするものが気持ち悪い。ドア、閉めてもらえる?」
 ふたりの顔を見て言った。
 お願いとかそういうことではなく、そうできないのならいてほしくない、という私なりの意思表示。
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