光のもとでⅠ
 俺は数時間の仮眠を取ると、栞さんがいてくれる時間は仕事に集中するように心がけていた。
 けれど、発作の頻度が多くなるにつれ、俺に割り振られる仕事の分量が減っていることには気づいていた。
 リィのバングルはすごく画期的なアイテムだ。
 でも、このデータをリアルタイムで知らされる人間は正気でいられるのだろうか。
 自分の手の届かないところで苦しんでいる娘であったり好きな人であったりクラスメイトであったり――。
 正直、俺は結構まいっている。
 そんな俺の意向で海斗っちと司くんへのデータ送信は打ち切らせてもらった。
 未成年にこんなものを終始見せておく道理なんてない。
 それには秋斗さんもほかの人たちも賛成だった。
< 1,712 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop